本日は中野にある武田修能館へ

『アートとビジネス 新しい創造の場 』というトークセッションへ行きました。

実はこちらは7月の企画展に出店して頂く Risato さんからお誘いを頂きました。

こんな素敵な情報を教えてもらえるのもギャラリーをやる魅力ですね。

 

能のステージ上で行われたトークは何か神秘的な物があり、パネラーの皆様も禅に近い深い内容をお話しされ、アートとビジネスというテーマでしたが、テーマを超越した心に響く内容でした。

 

良い意味で期待していた内容と違い、ビジネスというよりも皆様の哲学を聞けて、

どうすれば美しく生きれるか。

美しく生きるためにアートができる事は何かという事を教えて頂きました。

 

良いお話がありすぎたのでPickするのが難しいですが、

能楽師の武田さんからは、わかりやすい能の説明や、能に携わる視点からの物事の考え方等、目から鱗なお話がたくさん聞けました。

最も心に残ったお話は、

 

能の『場』に対する考え方です。

能は、見ている人を演劇の世界に連れていく、旅のような感覚にさせる物であり、VRやARなんかで映しだれるような映像を、実際は見えていないのに見せる演劇であるのだと武田さんはおっしゃっていました。

実際に踊る人や、お囃子を奏でる人はもちろん、見ているお客さんも、その『場』を作ります。

その『場』が、演じている世界にワープすることが最も美しい、面白い舞台なのです。

 

結構ある事だと思いますが、演劇を見に行くと、一人のトップスターが出てきた瞬間に、会場から歓声が聞こえたり、場の温度が上がったりする事があると思います。

 

実はそれは武田さんの視点、能の視点から見ると良い演劇ではないのです。高いレベルで行われるプロの演劇の世界で、一人だけ目立ってしまう事は、もはや恥ずべき事なのです。

 

この役者さん良いね、お囃子がすごく良い、舞台が綺麗、そういう感情をお客さんが持ってしまったら、一瞬で『場』として見た演劇の完成度が下がってしまいます。

 

終わってみたら、夢から覚めたような感覚。現実に戻ってきた感覚になる演劇こそ、最高の演劇なのです。

 

深すぎました。

心に沁みました。

こんな近くにあるのに、今まで興味を持っていなかった自分が恥ずかしいです。

 

この考えは、演劇に関わらず、音楽や、仕事なんかにも言える事ですよね。

例えば自分がバンドのドラムをやっていて、ライブが終わった後に

「ドラム最高でした!」

なんて言われたら普通は嬉しいですが、バンドとして考えた時に自分だけ目立ってしまったっていう事は、他が良くなかったり、自分だけ目立ってしまう動きをしてたっていう事ですよね。プロの世界なら恥ずかしい事ですし、喜んでる場合じゃなく、速攻反省会をしなきゃいけない一言です。

仕事でもそうです。

例えば、自分が上の立場にいた時に、チームにいる部下の一人が相手先に褒められたりすれば、他のメンバーの士気が少ないので、良いチームとは言えません。ましてや、自分ばかり評価されるよであれば、全く下が育ってないと思わなくてはいけません。

禅でいうビギナーズマインド(初心)の大切さを染み染み感じました。

 

アートを学ぶ=哲学を学ぶ

 

そんな事に気付いた32の夜でした。

 

ハナムラチカヒロさんのお話もとても面白かったので本を買っちゃいました♪